推し活クロニクル 2003年|「世界に一つだけの花」、『冬ソナ』とテニミュ。感想をブログにも書く
2003年、SMAPのシングル「世界に一つだけの花」が200万枚を突破し、世代を超えて歌い継がれる国民的ヒット曲となりました。プロ野球では星野仙一監督率いる阪神タイガースが18年ぶりのセ・リーグ優勝を果たし、関西をはじめ全国の虎党が歓喜に沸きます。
春にはNHKの衛星放送で韓国ドラマ『冬のソナタ』が日本初放送されました。劇場ではミュージカル『テニスの王子様』(テニミュ)も初演を迎えます。東京・六本木には大型複合施設の六本木ヒルズが開業し、映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』が邦画実写の興行収入記録を塗り替えました。秋から冬には国産ブログサービスが相次いで誕生し、ファンが日々の感想を自分のページに綴る習慣が広がり始めています。

SMAP「世界に一つだけの花」ダブルミリオンと、森山直太朗・一青窈の歌声
3月5日、SMAPが35枚目のシングル「世界に一つだけの花(シングル・ヴァージョン)」を発売しました。シンガーソングライターの槇原敬之が作詞・作曲を手がけた楽曲です。前年のアルバム『SMAP 015/Drink! Smap!』の収録曲が、草彅剛主演のフジテレビ系ドラマ『僕の生きる道』の主題歌となりシングル化されました。オリコン週間ランキングでは登場2週目で100万枚を超えます。21週目の8月4日付で200万枚も突破し、年間シングルランキング1位に輝きました。ORICON NEWS
一人ひとりの個性を花にたとえた歌詞と人差し指を掲げる振り付けは、学校の合唱やカラオケの定番曲としても定着しました。オリコン週間ランキングの100位以内には2019年までに通算184週ランクインし、シングル歴代1位のロングセラーとなります。2016年にSMAPの解散が決まった際にはファンによる購買運動が広がり、累計売上は300万枚を超えました。ORICON NEWS/ORICON NEWS・300万枚突破
- 3月5日
SMAP「世界に一つだけの花」発売
登場2週目で100万枚、8月4日付で200万枚を突破し年間1位となりました。
- 3月5日
森山直太朗「さくら(独唱)」発売
全国を回るインストアライブから口コミで広がり、ミリオンセラーに達しました。
- 12月31日
第45回日本レコード大賞
浜崎あゆみ「No way to say」が史上初の3連覇を達成し、一青窈が最優秀新人賞に輝きました。
同じ3月5日には、森山直太朗がシングル「さくら(独唱)」を発売しました。ピアノ伴奏だけで伸びやかに歌い上げるスタイルが、全国のインストアライブを通じて評判を呼びます。卒業シーズンの枠を超えて売れ続け、100万枚を超えるロングヒットとなりました。前年末に「もらい泣き」でデビューした一青窈も、独特の詩世界と歌唱で支持を集めます。中国の伝統楽器・二胡や琵琶でポップスを奏でる「女子十二楽坊」のアルバムも大ヒットしました。年末の第45回日本レコード大賞では浜崎あゆみが「No way to say」で史上初の3連覇を達成し、一青窈が最優秀新人賞を受賞しています。日本作曲家協会
『冬のソナタ』BS初放送と、『踊る大捜査線 THE MOVIE 2』『GOOD LUCK!!』
4月から9月にかけて、NHKの衛星放送(BS2)で韓国ドラマ『冬のソナタ』が放送されました。ユン・ソクホ監督が四季の風景とともに描く純愛ドラマで、ペ・ヨンジュンとチェ・ジウが主演を務めています。初恋の記憶と運命のいたずらをめぐる心理描写や、雪景色の中でマフラーを巻く名場面が視聴者の心をつかみました。放送終了後には、NHKへ再放送を求める手紙や電話が殺到します。婦人公論.jp
年末のBS2での一挙再放送を経て、翌2004年4月からは地上波のNHK総合での放送が始まりました。「ヨン様」ブームと韓国ロケ地への聖地巡礼は、翌年にかけて全国的な社会現象へと発展します。2003年のBS放送は、視聴者が家族や友人にビデオを貸し借りしながら口コミで作品の魅力を広めていった韓流ブームの出発点でした。婦人公論.jp
国内の映画とテレビドラマでも大ヒット作が生まれました。7月19日公開の映画『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』は、観客動員1,260万人・興行収入173億5,000万円を記録します。1998年の第1作(101億円)を大きく上回り、邦画実写映画の歴代興行収入1位を20年以上も保持する金字塔を打ち立てました。1月から3月にはTBS系の日曜劇場で、木村拓哉が旅客機の副操縦士を演じたドラマ『GOOD LUCK!!』が放送されます。最終回は世帯視聴率37.6%を記録しました。山下達郎の主題歌「RIDE ON TIME」とともに、パイロットや航空整備士・客室乗務員への憧れを広げています。フジテレビ系では山田孝之らが男子シンクロに挑むドラマ『ウォーターボーイズ』や、唐沢寿明主演の『白い巨塔』も高い支持を集めました。日本映画製作者連盟
テニミュ初演で開いた「2.5次元舞台」の扉と、六本木ヒルズの開業
4月30日、東京芸術劇場中ホールでミュージカル『テニスの王子様』(通称・テニミュ)の初演が開幕しました。『週刊少年ジャンプ』連載の許斐剛による人気テニス漫画を舞台化した作品です。「漫画のキャラクターがそのまま舞台上に現れるだろうか」という開幕前の不安を覆し、照明をボールの軌跡に見立てた演出と若手俳優たちの熱演が観客の口コミで一気に広まりました。テニミュ公式ブログ
- 4月25日六本木ヒルズ開業
- 森タワー・森美術館・TOHOシネマズ・テレビ朝日新社屋などを備えた複合都市が誕生した。
- 4月30日ミュージカル『テニスの王子様』初演
- 漫画・アニメ原作の舞台を「2.5次元ミュージカル」として楽しむ文化の先駆けとなった。
テニミュは、漫画やアニメ・ゲームを原作とする舞台を「2.5次元」と呼んで応援する文化の礎を築きました。同じ演目に何度も足を運ぶ「多ステ(複数回観劇)」の習慣も定着します。越前リョーマや手塚国光ら原作の推しキャラクターと、舞台上でその人物を体現する若手俳優の双方を応援するファンダムが育ちました。公演の模様を収めたDVDやライブCDも人気を集め、地方公演を含む長期シリーズへと発展していきます。
同じ4月25日には、東京都港区に大型複合施設「六本木ヒルズ」が開業しました。高さ238メートルの六本木ヒルズ森タワーを中心に、高層階の森美術館や展望台「東京シティビュー」が設けられます。敷地内にはシネマコンプレックスやテレビ朝日新社屋、巨大な蜘蛛の彫刻「ママン」も並びました。映画の舞台挨拶や展覧会・テレビ局の夏祭りイベントを訪れる拠点として、連日多くの人でにぎわいます。森ビル
サマソニ初のチケット完売と、『鋼の錬金術師』『金色のガッシュベル!!』
8月2・3日に開催された「SUMMER SONIC 03」では、東京・大阪の両会場で初めてチケットが完全ソールドアウトとなりました。ヘッドライナーを務めたのは、イギリスのロックバンドであるレディオヘッドとブラーです。幕張メッセ会場では、海外勢の「SONIC STAGE」と国内勢の「FACTORY STAGE」が向かい合わせに置かれ、交互に演奏が行われました。サマーソニック公式
FACTORY STAGEには、7月に「上海ハニー」でブレイクした沖縄出身のORANGE RANGEが出演しました。着実に動員を伸ばしていたASIAN KUNG-FU GENERATIONも同ステージに立っています。ヴィジュアル系シーンでは、8月にNIGHTMAREが「-Believe-」でメジャーデビューしました。9月にはDir en greyがアルバム『VULGAR』を発表し、独自の音楽性を深めています。ORANGE RANGE公式/NIGHTMAREの紹介/Dir en greyの作品情報
テレビアニメでは、4月にフジテレビ系で雷句誠原作の『金色のガッシュベル!!』が始まりました。10月4日にはMBS・TBS系(土6枠)で荒川弘原作の『鋼の錬金術師』が放送を開始します。錬金術の禁忌に触れて身体を失ったエドワードとアルフォンスの兄弟が「賢者の石」を探す旅は、重厚な物語で幅広いファンを獲得しました。ポルノグラフィティの初代オープニング曲「メリッサ」も大ヒットし、原作漫画は翌年1月に第49回小学館漫画賞を受賞しています。コミックマーケットには夏(C64)に延べ46万人、冬(C65)に延べ42万人が参加しました。作品公式年表/制作会社ボンズ/コミックマーケット準備会
国産ブログサービスが相次ぎ登場。感想を自分のページに綴る
秋から冬にかけて、Doblog・livedoor Blog・Seesaa・ココログなど国産のブログサービスが相次いで始まりました。それまで個人のホームページを作るには、HTMLの知識やファイル転送の手間が必要でした。ブログなら、ブラウザ上の管理画面に文字や写真を入れてボタンを押すだけで、日付順の記事ページを簡単に公開できます。INTERNET Watch/当時のココログの紹介
従来の個人ホームページ
HTMLを自分で記述し、更新のたびにページを作り直してサーバーへ転送する。
2003年登場のブログ
管理画面に文章や画像を入力するだけで日付順に記事が並び、コメントやトラックバックで交流できる。
ファンはアニメの各話感想やライブのセットリスト、購入したCD・本のレビューを自分のブログに書き留めました。同じ作品を扱った他人のブログへ「トラックバック」やコメントを送る交流も、ここから急速に広がっていきます。当時のサービス開始記事/利用対象の拡大
この年の主な出来事

この年の新語・流行語大賞

年間大賞には「毒まんじゅう」「なんでだろう〜」「マニフェスト」の3語が選ばれました。赤と青のジャージ姿で日常の疑問を歌うお笑いコンビ・テツandトモの「なんでだろう〜」は、子どもたちの間でも大人気となります。アニメ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のエンディング曲としても親しまれました。自由国民社
トップテンには、阪神タイガースの星野仙一監督が掲げた「勝ちたいんや!」も入りました。今岡誠・赤星憲広・金本知憲・伊良部秀輝・井川慶らの活躍で独走した阪神は、9月15日に18年ぶりのセ・リーグ優勝を決めます。大阪・道頓堀川へ飛び込むファンが続出するほどの熱狂が関西一円を包みました。日本野球機構
次の2004年では、SNSのmixiやGREEが始まり、携帯ゲーム機のニンテンドーDSとPSPが登場します。
よくある質問
「世界に一つだけの花」はいつ200万枚を超えましたか?
オリコンでは2003年8月4日付、登場21週目で200万枚を達成しました。100万枚を超えたのは登場2週目です。2003年の年間シングルランキングでも1位でした。
『冬のソナタ』はいつ日本で放送されましたか?
2003年4月から9月にNHKの衛星放送BS2で放送されました。地上波のNHK総合での放送は翌2004年です。
テニミュとは何ですか?
漫画『テニスの王子様』をもとにしたミュージカルの通称です。2003年4月30日に初演が始まりました。俳優が登場人物を演じながら、歌やダンスで試合や物語を表現します。
2003年にはどんなブログサービスが登場しましたか?
秋から冬にかけてDoblog、livedoor Blog、Seesaa BLOG、ココログなどが登場しました。ココログは12月2日に接続会員向けに始まり、12月17日には利用対象が広がりました。
「勝ちたいんや!」はいつの流行語ですか?
2003年の新語・流行語大賞で、トップテンに入った言葉です。阪神タイガースの星野仙一監督の言葉です。この年の阪神は、18年ぶりにセ・リーグで優勝しました。



