概念推しとは?意味・例・楽しみ方を解説【推し活用語辞典】
人物だけでなく、「この関係性が好き」「この雰囲気に弱い」と感じることはありませんか。概念推しの意味や用例、「推しの概念」という使い方との違いをひもときます。

概念推し(がいねんおし)の意味
概念推しとは、特定の人物やキャラクターではなく、色・場所・関係性・シチュエーションといった抽象的なものを推すこと。「〇〇という概念が好き」という言い回しから広がりました。
推される「概念」には、次のような例があります。
| ジャンル | 例 |
|---|---|
| 情景 | 夕方の海辺、雨上がりの遊園地、始発の駅 |
| 関係性 | 幼馴染、歳の差コンビ、犬猿の仲の共闘 |
| 属性・記号 | 眼鏡、低音ボイス、白衣、左利き |
| モノ・場所 | 廃線、団地、純喫茶、観覧車 |
「という概念」構文の由来
この言葉の面白いところは、哲学の教科書にあった「概念」という硬い言葉を、ファンがSNSでの語りに持ち出した点です。「〇〇という概念」という言い回しは、2010年代後半のSNSで広まりました。個別の対象から「型」だけを取り出して愛でる語法として定着しています。堅い学術用語をあえて日常の「好き」に使う落差も、この構文のユーモアの一部です。
似た言葉との呼び分け
概念推しは、人ではなく考え方・関係性・状況そのものを推すことです。推しの概念は、特定の推しを連想させる色や物を指します。対象の向きが逆になる点で区別できます。
使用例
- 「夕方の商店街そのものが、私の概念推しなんだ」
- 「幼馴染という概念に一生勝てない」
- 「このMV、私の推し概念を全部詰めてきた」
- 「好きなキャラを聞かれると毎回困る。雨の日に傘を差し出す場面という概念が好き、が正直な答えだから」
- 「観覧車という概念に弱い。乗らなくても、遠くで回っているのを見ているだけでいい」
「概念」構文の面白さ
「幼馴染という概念が好き」という言い方は、特定の作品のキャラが好きだという意味ではありません。あらゆる作品に現れるそのパターン自体が好きだと、精密に表す言い方です。
つまり概念推しとは、自分の「心が動くツボ」を抽象化して言語化する行為です。自分の概念推しを知っている人は、新しい沼も早く見つけられます。
自分の概念推しを言葉にする手がかり
「何が好きか」を人物名で答えられないとき、次の順に振り返ると、自分が何を好きなのかがはっきりしてきます。
- 保存し続けている画像を並べてみる。被写体よりも、時間帯・天気・光の向きといった共通項を探しましょう。
- 心が動いた場面を一文に落とす。「傘を差し出す」「名前を呼び直す」のように動作まで具体的に書くと、型が見えてきます。
- その型に自分で名前をつける。名前をつければ、それはもう概念推しです。他人に通じるかどうかは問われません。
この作業は、エモいや尊いといった一語で済ませていた感情を、あとで思い出せる言葉にまとめ直すことでもあります。
「推しの概念」——もうひとつの使い方
概念推しと似た言い回しに「推しの概念」があります。こちらは、推し本人がいなくても推しを感じられるモチーフを指す言葉です。たとえば、推しカラーの小物や、推しを連想させる花や数字などです。「推しの概念を身につけて出かける」といえば、さりげない色のアイテムで日常に推しを持ち込むことを意味します。「概念」という言葉は、抽象化した愛を持ち歩くための手段として使われています。
この考え方を服や小物に取り入れる具体的な方法は、概念コーデの記事で扱っています。概念推しが「何に心を動かされるか」という推し方そのものの話なら、概念コーデは「それをどう身にまとうか」という装いの話です。同じ「概念」でも、役割がきれいに分かれています。
推しがいなくても「心が動く瞬間」を集めれば推し活
概念推しの広がりを見ると、推し活の中心にあるのは「誰を応援するか」ではなく、「何に心を動かされるか」だとわかります。
推しがいなくても、心が動く瞬間を集めて名前をつければ、それはもう推し活です。「推しがいないから推し活できない」と思っている人にこそ、いちばん始めやすい推し方です。
よくある誤解
- ふざけた言葉ではありません。一見ネタっぽい響きですが、自分の感性を精密に言語化する、むしろ真面目な語彙です。
- 人やキャラを推していないから「格下」というわけではありません。概念推しは推し活の亜流ではなく、心が動く対象の範囲を広げた本流のひとつです。
推し活未来研究所メモ:「概念」は誰のものでもない
概念推しは、マーケティングの視点でも大きな可能性がある領域です。「推し=IP」と考えると契約やライセンスが必要になります。一方で、「概念」は誰のものでもありません。純喫茶ブームやレトロ自販機、団地写真集など、概念推しを起点にしたヒットは実は世の中にあふれています。企業がこの視点を持つと、自社の商品や場所が「誰かの概念推し」の対象になっている可能性に気づけます。
研究所は、概念推しが「検索されない需要」であることに注目しています。誰も「夕方の商店街 グッズ」とは検索しません。それでも、その概念をとらえた写真集や商品を目にすれば、人の心は動きます。アンケートにもキーワードデータにも表れない感性の需要をつかむには、ファンの「という概念」語りを観察するのが近道です。
関連語
よくある質問
概念推しとはどういう意味ですか?
特定の人物やキャラクターではなく、色・場所・関係性・シチュエーションといった抽象的な「概念」を推すことです。「幼馴染という概念が好き」のような使い方をします。
概念推しの具体例にはどんなものがありますか?
「夕方の商店街」「雨の日の水族館」といった情景や、「幼馴染」「歳の差コンビ」といった関係性が代表例です。特定の色や音など、心を動かされるものなら何でも対象になります。
概念推しはいつ頃から使われている言葉ですか?
「〇〇という概念」というSNSの言い回しとともに2010年代後半から広まりました。特定の作品を超えて「そのパターン自体が好き」と表明できる、新しい愛の語彙です。
「推しの概念」とは何が違いますか?
「推しの概念」は、推し本人を離れて推しらしさを感じるモチーフ(推しの色や花、モチーフの小物など)を指します。概念推しが「抽象的なものを推すこと」全般を指すのに対し、「推しの概念」は特定の推しから派生した使い方です。
