ガンダムベースが万博連動で大丸梅田に/ブルーロック×水族館コラボがコンビニに【週刊推し活ニュース 2025年4月4日号】

2025年3月28日〜4月3日の1週間から、企業の推し活マーケティング・ファンビジネスの注目ニュースをお届けします。
今週のハイライト
今週は、企業が開幕直前の大阪・関西万博に向けてIP体験を準備していました。
BANDAI SPIRITSは、大阪・関西万博「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」と連動した「THE GUNDAM BASE POP-UP WORLD TOUR in OSAKA」を大丸梅田店に開設しました。規模は関西エリア過去最大級の923平方メートルです。カプコンも万博会場内に体験型コンテンツ「モンスターハンター ブリッジ」を無料で出展しました。
百貨店やコンビニでも、IPグッズの販売が目立ちました。伊勢丹新宿店は「コジコジ」とのコラボを2年連続で開催しました。ファミリーマートは「ホロライブEnglish」5人の描き下ろしグッズを展開していました。ブルーロックとサンシャイン水族館のコラボイラストは、全国のコンビニのコピー機でプリントブロマイドとして買えるようになりました。博報堂DYホールディングスの調査では、メタバース内広告に接触した人の28.3%が企業に興味を持ったと答えました。VR体験施設「Sandbox VR」の「イカゲームVR」は、売上が3,000万ドルを突破していました。
大阪・関西万博が近づき、企業がIP体験を急いで整えている
THE GUNDAM BASE×大丸梅田 — 万博連動で関西最大級のポップアップ店
BANDAI SPIRITSは「THE GUNDAM BASE POP-UP WORLD TOUR in OSAKA」を大丸梅田店5階で2025年4月11日から10月13日まで開催しました。規模は関西エリア過去最大級の923平方メートルで、ガンプラ45周年を記念する世界巡回ツアーの最初の会場です。店頭には、大阪・関西万博「GUNDAM NEXT FUTURE PAVILION」の完全新規映像に登場する「RX-78F00/E ガンダム」の関連商品も並ぶと発表しました。10,000円以上購入した先着40,000名には、オリジナルショッパーを進呈すると発表しました(アニメ!アニメ!)。
会場周辺ではデジタルスタンプラリーも実施すると発表しました。指定3か所を回ると、ガンプラのパッケージアートをカードにした限定アイテムが手に入ります。
研究所メモ: 万博の開催期間に合わせて、自社のポップアップ店を開く計画です。新規来店者の多くは万博目当てで大阪に来る人たちで、ガンダムファンでなくても店に立ち寄りやすくなっています。地域のビッグイベントに合わせて期間限定店を出せば、来場者数を見込める分だけ投資の判断がしやすくなるはずです。
カプコン×大阪・関西万博 — ARデバイスで“触れる”モンスターハンター体験
カプコンは大阪・関西万博の大阪ヘルスケアパビリオン内「XD HALL」で、体験型コンテンツ「モンスターハンター ブリッジ」を2025年4月13日から10月13日まで出展しました。来場者は専用ARデバイスを頭部に装着し、直径約12メートル・高さ約5メートルの円筒形シアターで体験します。映像・音・振動を組み合わせた演出の中で、「アイルー」に触れたり、「リオレウス」の襲撃を仲間と迎撃したりできる内容でした。体験は無料で、事前予約制でした(インサイド)。
研究所メモ: 体験を無料にした価格設計が特徴です。有料にすると体験する人が絞られますが、無料なら『モンハン』を知らない万博来場者も体験できます。万博の集客を、ゲームIPの新規ファン獲得に活用しようとする事例です。
百貨店とアパレルECが、IPで来店のきっかけを作った
さくらももこ×伊勢丹新宿店 — 「コジコジ」コラボが2年連続で開催
さくらももこ原作『COJI-COJI(コジコジ)』と伊勢丹新宿店のコラボイベント「COJI-COJI at イセタン みんな役にたっているんだね」が2025年4月9日から開催されました。2024年に続く2度目の実施です。今回は三越伊勢丹のサステナビリティ企画「thinkgoodキャンペーン」と連携し、地球環境や伝統文化をテーマにした約20アイテムを新たに展開すると発表しました。原作でコジコジが語る「みんな役に立っているんだね」というセリフに着目した描き下ろしイラストを使用していました(アニメ!アニメ!)。
研究所メモ: 単年のコラボで終わらせず、2年連続で開催している点が重要です。百貨店のサステナ企画とキャラクターの世界観を組み合わせて、グッズ販売とブランドメッセージの発信を両立させています。1回限りの話題づくりより、客が毎年同じ時期に来店する理由を作るほうが、百貨店は来店を予測しやすくなります。
ONE PIECE×ZOZOTOWN、井田幸昌×ディズニー — アパレルとアートの掛け合わせ
ファッション通販「ZOZOTOWN」は、2025年3月28日から『ONE PIECE』とのコラボアイテムの受注販売を始めました。イラストレーター3名が、ルフィ&ハンコックなど11キャラクターを描き下ろしていました。TシャツやフーディーなどZOZOTOWN限定の全12アイテムを展開しました(アニメ!アニメ!)。一方、現代美術家・井田幸昌がディズニーキャラクターを描き下ろした「YUKIMASA IDA “ONLY TIME WILL TELL” POP UP SHOP POWERED BY ZOZOVILLA」が、4月3日から代官山ヒルサイドテラスで開催されました。シルクスクリーン作品は50万円で抽選販売されました(アニメ!アニメ!)。
研究所メモ: 同じZOZOグループの中で、量販アイテムと50万円のアート作品(エディション100)を同時に販売しています。Tシャツで購入者の層を広げ、アート作品で客単価の上限を引き上げる組み合わせです。IPコラボは安さで勝負しがちですが、価格帯を分けて複数の客層に同時に応える設計は、ファッションEC側にとって参考になります。
コンビニのコピー機が、IPグッズの新しい売り場になった
講談社×サンシャイン水族館 — 「ブルーロック」コラボの余韻をコンビニで販売
サッカー漫画『ブルーロック』とサンシャイン水族館のコラボイベント「ブルーロックエゴアクアリウムナイト」は、3月20日〜31日に開かれました。このイベントで使われた描き下ろしイラストのプリントブロマイドが、全国のファミリーマート・ローソン・ミニストップの店頭コピー機で販売されました。絵柄は、潔世一や凪誠士郎ら8キャラクターが水族館の生き物になりきったイラストなど全12種です。L判300円・2L判400円(いずれも税込)のランダム販売で、4月20日23時59分まで購入できました(アニメ!アニメ!)。
研究所メモ: 現地でしか楽しめなかった水族館イベントのイラストを、全国のコンビニのコピー機で買えるようにした設計です。イベント自体は東京の1施設でしか楽しめませんが、グッズだけは全国どこでも手に入ります。会場に来られなかったファン向けの購入手段を、すでにあるコンビニのコピー機で用意したかたちです。
ファミリーマート×ホロライブEnglish — グミ購入から物販へ導く設計
ファミリーマートは「ホロライブEnglishキャンペーン」を2025年4月1日10時から始めました。森カリオペ、IRyS、ハコス・ベールズら5人の描き下ろしイラストを使った企画です。対象グミを2個購入すると、オリジナルA5クリアファイルがもらえました。4月8日からは、アクリルスタンド(各1,980円)とトレーディングアクリルキーホルダー(825円)を店頭で販売すると発表しました(インサイド)。
研究所メモ: まずお菓子の購入で無料特典を渡し、1週間後に有料グッズへ誘導する2段階の設計です。いきなりグッズだけを並べるより、気軽に買える食品から始めたほうが、ライト層の目に触れる回数が増えます。VTuberのようにファン層が幅広いIPほど、この段階的な設計が有効です。
テーマパークと商業施設が、来場体験を作り込んだ
USJ×ワンピース — 「プレミア・サマー」19年目の定番化
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、期間限定イベント「ワンピース・プレミア・サマー2025」を2025年7月1日から10月6日まで開催しました。2007年から続く恒例企画です。ライブ・エンターテインメント・ショー「ワンピース・プレミアショー2025」には、四皇となったバギーが初めて登場しました。エンターテインメント・レストラン「サンジの海賊レストラン」(大人7,000円)やコースター型アトラクション「ワンピース ストーリー・ライド」も用意されました(アニメ!アニメ!、女子旅プレス、ナタリー、corriente.jp、マイナビニュース)。
研究所メモ: 2007年から19年目を迎える継続企画である点が肝心です。毎年ストーリーを更新しながら定番化しているため、リピーターには「今年は何が変わったか」を確認しに行く動機が生まれます。単発の話題づくりでは得られない、年次イベントならではの積み上げがあります。
バンダイナムコ×ジョジョの奇妙な冒険 — 池袋で期間限定テーマパーク「JOJO WORLD 3」
期間限定テーマパーク「JOJO WORLD 3」が、東京・池袋のバンダイナムコ Cross Store東京で2025年4月4日から6月1日まで開かれました。「JOJO WORLD」シリーズの第4弾です。全4種のアトラクションと3種のミニゲームは、すべて新規のコンテンツです。1回1,100円のアトラクション、1回600円のミニゲームなど、体験ごとに料金を払う構成になっていました。会期後は大阪・博多へも巡回しました(4Gamer.net)。
研究所メモ: 入場料を取らず、アトラクションやミニゲームを1回単位の課金にしている点が特徴です。まず気軽に入ってもらい、遊ぶほど支払う金額が増える設計なので、興味の薄い同行者も一緒に入りやすくなります。テーマパーク型コンテンツを検討する企業にとって、入場無料・体験課金という配分は選択肢の一つです。
名探偵コナン×東京スカイツリー — 劇場版公開に合わせコラボ、コナンプラザは全国15会場
『名探偵コナン』の物販イベント「名探偵コナンプラザ」が、2025年4月1日の東京ドームシティ会場を皮切りに全国15会場を巡回すると発表されました。劇場版最新作『名探偵コナン 隻眼の残像』の4月18日公開に合わせた企画でした。同日オープンの横浜ロフト会場から5月まで、そごう広島店やあべのハルカス近鉄本店など百貨店・商業施設を順に回ると発表されました。あわせて東京スカイツリーでは、4月15日から7月14日まで初のコラボイベント「煌きの青天塔」が開かれると発表されました。会場には、青山剛昌の漫画『YAIBA』を原作とするTVアニメ『真・侍伝 YAIBA』のグッズも並びました(にじめん、超!アニメディア)。
研究所メモ: 全国15会場という物量は、1つの拠点に人を集めるより、来場できる場所を増やすほうを選んだ結果です。地方の百貨店にとっても、巡回会場になること自体が来店のきっかけを作る集客施策になります。原作者の別作品のグッズまで並べるスカイツリー版は、既存ファンにより深く楽しんでもらう企画です。
サンリオが、玩具と雑貨の売り場をさらに大きく広げた
タカラトミー×サンリオ、サンキューマート×サンリオ — ミニカーと雑貨の二正面展開
タカラトミーは、ミニカーシリーズ「TOMICA TUNES」の「SANRIO CHARACTERS Vol.1」全7種を2025年5月下旬に発売すると発表しました。シナモロールやハローキティなどサンリオキャラクターズが乗車したミニカーです(超!アニメディア)。同時期には、雑貨チェーン「サンキューマート」からもコラボ雑貨が登場するとしていました。ハローキティ・シナモロール・クロミが“おともだち”のぬいぐるみを抱いたデザインです。全国の店舗では4月下旬から入荷次第販売すると発表しており、公式オンラインショップでは4月2日12時から先行予約を受け付けるとしていました(fasme)。
研究所メモ: サンリオは同じ時期に、価格帯の異なる2つの売り場に向けた商品を展開しています。玩具専門店向けのミニカーと、手ごろな価格帯の雑貨チェーンです。1つのIPを複数の価格帯・業態で同時に売ることで、子ども連れから学生まで、商品を手に取れる客層が広がっています。
音楽とファンイベントが、街全体を舞台にして広がった
JOYSOUND×マクロス — 歌姫オーディションと連動したコラボドリンク
カラオケの「JOYSOUND」直営店40店舗は、2025年3月28日から4月30日まで『マクロス』シリーズとのコラボドリンクを提供していました。ドリンクは、シリーズの歌姫キャラクターをイメージしたものです。この企画は、シリーズ最新作の歌姫役を選ぶオーディション「マクロス×サンライズ『新マクロス』超時空歌姫オーディション2025」と連動していました。課題曲「アイ to アイ」を歌って応募した参加者を対象に、抽選のプレゼント企画もあわせて実施していました(PR TIMES)。
研究所メモ: 安価なドリンクをきっかけに、オーディションへの応募という参加型企画へ客を誘っています。ドリンクを飲んだ客が、次に歌って応募する流れを作る設計です。カラオケ店という「歌う場所」とオーディションという「歌わせる企画」の相性の良さが、コラボの成立条件になっています。
SHIBUYA109×ジョジョの奇妙な冒険 — 渋谷の街を巻き込む「JOJODAY」
『ジョジョの奇妙な冒険』のファンイベント「JOJODAY STAGE」が、4月12日に国立代々木競技場第二体育館で開かれました。その開催を記念し、SHIBUYA109渋谷店の店頭には4月1日から14日まで、全長3.3メートルの「デカかわッ!イギーバルーン」が登場していました。渋谷駅東口地下広場のカフェ「アップライトコーヒー」でも、4月28日までコラボメニューを提供していました。街全体を巻き込んだ展開です(電撃オンライン)。
研究所メモ: 有料のステージイベントに対して、街なかのバルーンやカフェは無料で目に入る仕掛けです。チケットを買わない層にも「今、渋谷でジョジョをやっている」と伝わることで、次の巡回イベントへの興味につながります。有料コンテンツの外側に無料の接点を置く二段構えです。
メディコス・エンタテインメント×結城友奈は勇者である — 10周年展を有楽町で開催
アニメ『結城友奈は勇者である』の10周年を記念した「勇気のバトン展」が、2025年4月26日から5月11日まで有楽町マルイで開催されました。会場では複製原画や絵コンテなどを展示しました。あわせて、3,000円以上購入で特典のクリアカード、10,000円以上購入で等身大パネルが当たるプレゼント応募も用意されました。前売り券はすでに販売されていました(インサイド)。
研究所メモ: 購入額に応じて特典のグレードを2段階に分けている点が丁寧です。3,000円層と10,000円層で違う特典を用意し、ライトなファンも熱心なファンも、それぞれの予算で満足できるようにしています。10周年という節目は、こうした複数の購買ラインを一度に設計する良い機会になります。
メタバースとVR、ARが推し活の実力を数字で示した
博報堂DYホールディングス — メタバース内広告への興味喚起28.3%に
博報堂DYホールディングスは3月31日、「メタバース生活者定点調査2024」の結果を発表しました。全国15〜69歳を対象にした調査です。メタバース内で企業広告に接触したユーザーの33.4%が「その企業の名前を知った」、28.3%(前年比+3.1pt)が「その企業に興味を持った」と回答しました。メタバースサービスの利用経験者は全体の8.7%(推計約687万人)で、前年比0.3pt増と着実に拡大していました(Mogura VR)。
研究所メモ: 利用者数の伸びはまだ緩やかです。それでも、広告に接触した人の3割近くが企業に興味を持った点は見逃せません。まだ広く知られていないメディアでも、接触した人への効果はすでに数字で確かめられ始めています。利用者の少なさを理由に様子見を続けるより、早く取り組んだ企業のほうが多くを学べます。
Sandbox VR — 「イカゲームVR」が売上3,000万ドル突破
VR体験施設「Sandbox VR」が運営するNetflix「イカゲーム」の公式VRアトラクション「Squid Game Virtuals」のチケット売上が、全世界累計3,000万ドル(約46億円)を突破したと発表されました。6人のプレイヤーが全身モーションキャプチャで「赤信号、青信号」などのゲームを体験する内容です。好調を受けて、シーズン2をモチーフにした新ミニゲームが追加されました(Mogura VR)。
研究所メモ: コロナ禍で一時は米国子会社が経営破綻したVR体験施設が、ドラマIPとの組み合わせで復活している事例です。VRの技術だけでは人を集めにくくても、話題性のあるIPと組み合わせれば来場の理由がはっきりします。体験型施設にとって、IPとの掛け合わせは技術投資を回収する現実的な手段になっています。
HADO×仮面ライダーガヴ、Brave group — AR施設とVTuber運営の地固め
ARスポーツ「HADO」は特撮ヒーロー作品「仮面ライダーガヴ」とのコラボを4月2日から4月22日まで実施しました。全国8施設で、様々なお菓子に見立てたエナジーボールを投げ合う演出を用意し、撮り下ろしボイスも収録していました(Mogura VR)。同じ週、複数のVTuberグループを運営するBrave groupは、グループ会社ENILISが「Palette Project」運営元のMateReal、複数のVライバー事務所を運営するbrossom(所属タレント200名超)を吸収合併すると発表しました(Mogura VR)。
研究所メモ: 店舗型ARのコラボとVTuber事務所の経営統合は、領域の異なる2つの動きです。それでも、どちらも既存の資産をどう束ねるかという地固めの動きでした。派手な新展開だけでなく、資産を整理・統合するタイミングもまた、業界の成熟度を測る指標になります。
今週の所感
今週は、「会場を作る」より「今ある場所に載せる」判断が目立ちました。
ガンダムベースは多くの人が集まる万博の開催に合わせて4月11日に出店し、モンハンブリッジは万博会場内で4月13日から無料の体験を提供しました。万博入場券と体験予約が別途必要です。ブルーロックのコラボグッズは、水族館のイベントに合わせてコンビニのコピー機でも買えるようになりました。ホロライブEnglishはグミという日用品を入口に物販へ導線を作っています。新しい会場を作るより、すでに人が来る場所やインフラに載せるほうが早く形にできます。
一方で、USJや名探偵コナンプラザのように、毎年・全国という「量」で積み上げる継続型の施策も健在でした。1回限りの話題づくりと、年単位で積み上げる定番の企画が、今週のニュースには共存しています。
自社のIPやキャラクターを、新しい場所に載せるべきか、積み上げるべきか。企業コラボの設計原則や推し活の市場規模とあわせて、今週の動きを見てみてください。
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