ビオレの話題量15倍/シティーハンターコラボ1万食【週刊推し活ニュース 2025年8月8日号】

2025年8月1日〜8月7日の1週間から、企業の推し活マーケティング・ファンビジネスの注目ニュースをお届けします。
今週のハイライト
今週のキーワードはタレントの発信力を企業が数字で裏付けた1週間でした。
花王のビオレUVは、Stray Kidsを起用したグローバルキャンペーンで、アジアの主要国の一つで話題量を前年比約15倍に伸ばしました。UHA味覚糖の完全栄養食「COMP」は佐野勇斗さんを起用したCMを公開し、佐野さんの公式Xの投稿は330万回以上表示されました。ドールは、INIの楽曲『Pineapple Juice』をきっかけに、同グループをパイナップル消費促進のサポーターに起用しました。
一方、ワタミの『シティーハンター』40周年コラボでは、限定メニューが累計1万食を突破しました。キユーピーは、会員14万人超の「マヨネーズ ファンクラブ」を全面リニューアルしました。業種を問わず、数字を伴う施策が並んだ週です。
タレントとの接点が、SNSの拡散量を大きく動かした
花王ビオレ×Stray Kids — グローバルキャンペーンで話題量が約15倍に
花王は4月、日焼け止めブランド「ビオレUV」で、ブランド初のグローバルキャンペーン「SUNLIGHT IS YOUR SPOTLIGHT.」を始めました。キャンペーンではボーイズグループ「Stray Kids」を起用し、15以上の国と地域で展開していました。日本本社がクリエイティブを統括し、言語対応のため動画を30パターン以上制作しました。キャンペーン開始後、ビオレUV関連の話題量は、対象国・地域のうちアジアの主要国の一つで前年比約15倍になりました。公式アカウントの動画再生数も過去最高を更新していました(AdverTimes.)。
花王はZ世代を中心とした若年層の共感と話題化を狙い、太陽の下を「あなたが輝くための場所」と再定義していました。
研究所メモ: 花王が1つのCMで済ませず、15以上の国と地域向けに30パターン以上の動画を用意したことが、成果につながりました。同じタレントでも、地域ごとに文脈を変える手間をかければ、話題量は大きく伸びます。グローバル展開を検討する企業にとって、統一メッセージと現地化のバランスを取る好例です。
UHA味覚糖COMP×佐野勇斗 — 楽曲の「イイじゃん」をCMに転用
UHA味覚糖の子会社であるCOMPは、7月28日に初のテレビCMを公開しました。出演は、5人組ユニットM!LKのメンバーで俳優の佐野勇斗さんです。公式Xの投稿は330万回以上表示されました(8月6日時点)。COMPはCMで、SNS総再生数18億回を超えるM!LKの楽曲から「イイじゃん」というフレーズを引用しました。「朝、COMPでイイじゃん。」「昼、COMPでイイじゃん。」の2篇で、完全栄養食「COMP」のパウダーとグミを忙しい生活の中で手軽に摂取できることを訴求しました(AdverTimes.)。
COMPは2024年4月にUHA味覚糖の完全子会社となり、両社は2016年から商品開発とマーケティングで連携してきました。
研究所メモ: COMPは曲そのものを使わず、サビの転調という「特徴」だけを抜き出してCMで再現しました。この点が支持につながっています。原曲を使わずにファンが覚えている構成を取り入れる手法なら、著作権処理の負担を抑えながらファンの関心を引けます。タレント起用の効果を最大化したい企業ほど、本人の活動の文脈をそのまま取り入れる発想が有効です。
ドール×INI — タイアップ楽曲からサポーター就任への転換
ドールは7月31日、パイナップルの消費拡大を目指していた「プル活」プロモーションのサポーターとして、11人組グループ「INI」を起用したと発表しました。きっかけは、INIが2025年6月にリリースした楽曲『Pineapple Juice』です。楽曲がDoleの看板商品「スウィーティオパイナップル」のイメージと重なったため、楽曲とのタイアップとサポーター就任が決まりました。同社マーケティング部の堀田拓哉マネージャーは日本では若年層の果物消費が低い現状を踏まえ、コアファン層への発信を通じてDoleフルーツのファンを増やしたいと狙いを語りました(AdverTimes.)。
健康・美容意識は高いのに生鮮果物を摂取できていない、という若年層の実態に着目した企画でした。
研究所メモ: この起用は、先に楽曲があり、ドールが後からその楽曲に合わせてサポーターを決めた順番が特徴的です。企業が先にタイアップを用意してから起用する方法もあります。しかし、ファンがすでに反応している曲や活動を見つけて後から加わる方が、ファンに違和感なく受け入れられます。ファンマーケティングでは、企業側の企画力より観察力が問われる場面が増えています。
会員コミュニティとIPの運用が、再現性を生んだ
キユーピー マヨネーズ ファンクラブ — 会員14万人超をバッジ機能で再活性化
キユーピーは8月1日、会員制コミュニティサイト「キユーピー マヨネーズ ファンクラブ」を全面リニューアルしました。サイトは2025年で開設12年目を迎え、リニューアル前の会員数は14万人を超えていました(2025年7月時点)。新機能では、コミュニティ登録やログイン、投稿・コメント・「いいね!」などのアクションでポイントが貯まりました。ランクに応じて、キユーピーモチーフのオリジナルバッジがもらえる仕組みでした。リニューアルを記念し、抽選で100人にグッズが当たるキャンペーンを9月30日まで実施していました(キユーピー)。
サイトはSNSのようにファンの投稿を気軽に見られる設計で、会員は写真をレシピの参考にしたり、会員同士で交流したりしやすくなっていました。
研究所メモ: キユーピーは、12年続くコミュニティを「バッジ」というゲーム的な仕組みで再活性化しました。このコミュニティでは、会員数の多さより、継続してきた年数の方が資産になっています。長く運用してきたファンコミュニティを持つ企業ほど、新規獲得より、既存会員の行動を見える形にする機能追加の方が費用対効果は高くなります。
Plott — 月間8億再生のIPが仕掛けるコンビニ物販
SNS向けアニメーションIPを手がけるPlottが、6月27日開催の「IPビジネスカンファレンス2025」で事業戦略を公開しました。同社のYouTubeでの総再生数は150億回規模で、月間総再生数は8億回を突破していました。10チャンネル以上を運営しており、登録者数は合計1,200万人超でした。代表IPの「混血のカレコレ」では、コンビニとのコラボで購入数に応じたグッズ配布や店内放送を実施し、最大14万個のグッズを販売しました。同社取締役の山田雄介氏はショートアニメーションを、YouTuberとテレビアニメーションの両方の強みを兼ね備えた次世代のアニメコンテンツと位置づけていました(AdverTimes.)。
スマホゲームになった「テイコウペンギン」が1か月で約7万DLを記録するなど、同社はオンライン・オフライン双方で成果を出していました。
研究所メモ: 10代・20代のファンには、クレジット決済ができない層がいます。この制約を踏まえ、あえてコンビニを売り場に選んだPlottの判断が効いています。ポップアップは開催地域が限られますが、コンビニならファンは全国どこでも買えます。ファン層の年齢や生活圏を先に見極め、それに合う売り場を選ぶ発想は、IPを持つ企業全般に応用できます。
外食チェーンが、周年と版権で来店理由を増やした
くら寿司、極楽湯 — 鬼滅の刃「無限城編」公開に合わせた二重展開
劇場版『鬼滅の刃』無限城編 第一章の公開を記念し、外食・レジャー各社がコラボを展開していました。回転寿司チェーンの「くら寿司」は8月8日から、全国の店舗でコラボメニューを提供していました。メニューは、竈門炭治郎をイメージした「炭治郎のえび天マヨソース」など寿司・デザートでした。税込2,500円ごとに、クリアファイルなどのグッズも配布していました(アニメ!アニメ!、クランクイン!、GAME Watch、Dtimes)。極楽湯・RAKU SPAグループの40店舗では、8月18日から9月9日までコラボ第4弾「ととのえ!みんなで極楽な休日」を開催すると発表しました。限定マフラータオル全19種の配布や、キャラクターをイメージしたコラボ風呂5種類を用意すると発表しました(アニメ!アニメ!)。
くら寿司は2020年から毎年コラボを続けており、極楽湯は今回で4回目です。両社とも、劇場版の公開タイミングに合わせて実施すると発表しました。
研究所メモ: 両社とも、複数年にわたってコラボを続けてきた実績があります。単発のコラボは話題を作れても、翌年の再来店にはつながりにくいものです。毎年恒例にすると、ファンの側に「今年も来る時期」という期待が生まれます。版権コラボでは、1回の規模より継続年数の方が来店の動機になります。
ワタミ — 「シティーハンター」40周年コラボが1万食を突破
ワタミグループは、居酒屋「ミライザカ」など外食4チェーンで「シティーハンター40周年×ワタミコラボフェア」を展開していました。同社は8月1日、フェアの限定メニューの売上が累計1万食を突破したと発表しました。フェアは『シティーハンター』の連載40周年を記念した企画で、期間は7月16日から8月31日まで、メニューは計18品でした。注文1品ごとにオリジナルステッカー(全6種、うち1種はシークレット)をランダムで配布し、東京都内4店舗にはキャラクターパネルを設置していました。店舗では1980年代からの往年ファンの来店が目立ち、SNS上ではコラボメニューやステッカーの投稿が多く見られました(PR TIMES)。
税込3,000円以上のレシートで応募できた、オリジナルグッズが当たるキャンペーンも同時に実施していました。
研究所メモ: 40年前の連載開始当時からのファンが、いま外食チェーンの店舗を訪れています。IPコラボは若年層向けの施策に見られがちです。しかし往年ファンほど可処分所得があり、複数店舗を回る余裕もあります。長期連載IPを持つ企業は、若年層に加えて当時のファン層にも来店してもらえるよう、施策を設計し直す価値があります。
鳥貴族 — 創業40周年で実現した創業者親子の初共演
焼鳥チェーン「鳥貴族」は、5月に創業40周年を迎えました。周年企画では、運営元エターナルホスピタリティグループの大倉忠司社長と、長男でSUPER EIGHTの大倉忠義さんが初共演しました。同社は創業の地・大阪府東大阪市に、2008年の駅前再開発で閉店した1号店「俊徳店」を期間限定で復活させました。来店者数は5月が1,901人、6月が1,523人でした。6月5日には、2階に「鳥貴族記念館」もオープンしました。鳥貴族記念館は、予約が困難なほどの反響を呼んでいたと報じられていました。(AdverTimes.)。
企画は忠義さんのSNS投稿「1号店に思い入れが深いのですが、復活していただけませんか?」がきっかけでスタートしました。
研究所メモ: 起点が企業側の企画ではなく、創業家の一人がSNSに投稿した一言だった点が異色です。ファンは、台本のある周年イベントより、身内の素の発言から始まったこの企画を「尊い」という言葉で受け止めました。周年施策では、作り込んだ演出より、社内の当事者が個人的に抱く思い入れを先に拾う方が、ファンに伝わることがあります。
日用品とアパレルが、キャラクターを定番として棚に置いた
3COINS×ポケモン — 第2弾発売初日は売り場への入場を事前抽選に
パルグループホールディングスは8月2日、TVアニメ『ポケットモンスター』グッズの第2弾を、全国の「3COINS」と公式通販サイト「PAL CLOSET」で発売しました。7月19日発売の第1弾「ポケピース」に続く企画です。商品は、キャプテンピカチュウやマスカーニャなどが描かれたポーチやクリアファイルなどです。価格はクリアファイル330円、缶入りステッカー550円、缶入りトートBAG1,100円などで、日常使いしやすい価格帯にそろえました。発売日には、事前抽選によってポケモンアイテム売り場への入場を制限しました。実店舗では、1会計につき各商品2点までの購入個数制限を設けていました(インサイド)。
同社には、生活雑貨店でキャラクターグッズを継続的に展開することで、購入層をアニメファン以外にも広げる狙いがありました。
研究所メモ: 330円からという手頃な価格帯と、入場制限による買いにくさが共存している点が特徴です。商品は安く手に取りやすい一方で、抽選と個数制限によって「並んででも買うもの」という体験も残しています。単価を下げるだけでは、希少性が失われます。価格とアクセス制限を分けて設計する発想は、量産型グッズを扱う企業にとって参考になります。
サントリーBOSS×ドラゴンクエスト — 缶コーヒーとロトのボスジャンで冒険心を訴求
サントリー食品インターナショナルは、飲料ブランド「BOSS」と『ドラゴンクエスト』のコラボ商品「BOSS QUEST 辿り着いた深煎り」を発表しました。9月2日から全国で発売しました。同日には「BOSS」の主力5商品も、新デザインの「ドラクエ職業缶」にリニューアルすると発表しました。デザインはモンスターを加えた全24種です。対象の6缶パックを買うと、取り外し可能なマント付き「ロトのボスジャン」が当たるキャンペーンにも応募できました。応募締切は11月30日でした(インサイド)。
対象商品の二次元コードからは、10種の職業をモチーフにした「ドラクエ職業Tシャツ」が当たるキャンペーンにも、別途応募できました。
研究所メモ: 同社はコラボ商品1品に加えて、主力5商品全体のパッケージも差し替えます。この点に施策の規模の大きさが表れています。限定商品だけをコラボにすると、コラボ商品が置かれるのは売り場の一角だけです。定番商品ごとリニューアルすれば、棚全体がコラボのデザインで埋まります。缶コーヒーのように毎日の購買機会が多い商品ほど、パッケージ全体を差し替えると客の目に触れる回数が増えます。
CONVERSE TOKYO×CLAMP展 — 画業35周年の世界観をTシャツに
創作集団CLAMPの展覧会「CLAMP展 -SELECTION-」と「CONVERSE TOKYO」のコラボレーションが、8月7日から名古屋で始まりました。CLAMPは1989年の商業誌デビュー以来、『魔法騎士レイアース』『カードキャプターさくら』などを手がけてきました。2024年7月には、画業35周年を記念した「CLAMP展」を国立新美術館で開催しました。今回のコラボでは、キービジュアルに描かれた司狼神威や木之本桜などをあしらったTシャツ(7,700円)とスマートフォンストラップ(5,445円)を用意しました。CONVERSE TOKYO名古屋店で8月7日から発売し、公式オンラインストアでは8月21日から受注販売すると発表しました(アニメ!アニメ!、fashionsnap.com、超!アニメディア)。
アイテムには、「CLAMP展-SELECTION-」とCONVERSE TOKYOの頭文字“C”を掛け合わせた、コラボ限定のロゴがあしらわれていました。
研究所メモ: コンバースのアパレルブランドが、展覧会というアートの文脈にあるIPを選んだ組み合わせが特徴です。商品はキャラクターグッズというより、日常の服装になじむ一枚として作られています。ファッションブランドがIPコラボを検討する際は、キャラクターを目立たせるより「気づく人だけ気づく」デザインに寄せる方が、ブランドの世界観を保てます。
VTuberの信頼を、自治体と企業が実務に生かした
名取さな×名取市 — 献血コラボが6年目に突入
宮城県・名取市献血推進協議会は、VTuberの名取さなさんとのコラボレーション「献血コラボ」を発表しました。名前の「名取」つながりで始まった企画は、今年で6年目を迎えました。献血は8月14日に名取市役所、8月30日にイオンモール名取で実施すると発表しました。協力者には、名取さなさんとのコラボ「チェキ風ブロマイド」(2種から選択)を記念品として贈ると発表しました。記念品は、献血Webサービス「ラブラッド」を通じて事前予約した人限定の配布でした(インサイド)。
名前の一致という偶然から始まった企画が、6年続く自治体の定番施策になっていました。
研究所メモ: この企画が長く続いている理由は、献血という社会貢献の枠組みに、VTuberの継続的な発信力を組み合わせている点にあります。単発のキャンペーンでは、献血者数は一時的にしか伸びません。毎年恒例にすると、ファンの側に「今年も協力する時期」という習慣ができます。自治体の社会課題解決にファンの継続的な関与を組み込む設計は、他の自治体にも応用できます。
周央サンゴ×志摩スペイン村 — 広報大使コラボ第3弾が11月開催へ
にじさんじ所属VTuberの周央サンゴさんと、三重県志摩市のテーマパーク「志摩スペイン村」のコラボレーション第3弾が決まりました。会期は11月1日から2026年1月12日まででした。周央さんは2022年5月の配信で、同施設への愛情を熱烈に語りました。その切り抜き動画が130万再生を超えたことをきっかけに、同年12月に「バーチャルアンバサダー(広報大使)」に就任していました。コラボイベントは2023年2月の初開催から数えて、今回で3回目でした(Mogura VR、アットプレス、電ファミニコゲーマー、emogram、KAI-YOU)。
園内での周遊ラリーやコラボフード、オリジナルグッズなどを展開すると発表されていました。
研究所メモ: 周央さんが1本の配信で語った施設への愛情は、広報大使という継続的な役職に発展し、3年連続のコラボにつながりました。企業がタレントを選んで起用したのではなく、すでに愛着を公言していた人物を後から迎え入れた順番です。ファンの自発的な発信を見つけて役職を用意する方が、起用後に愛着を作るより費用対効果が高い場合があります。
ミツカン味ぽん×ホロライブ — さくらみこ起用のコンテスト企画
Mizkanは8月8日から、調味料「味ぽん」とVTuberグループ「ホロライブ」のコラボキャンペーン「ホロぽん飯テロ部2025」を開始すると発表しました。2024年の企画には、味ぽんの「ぽん」にちなんだメンバーが参加しました。今年は「ポンでみこちが居ないのはおかしい」というファンの声を受け、白銀ノエルさんとともにさくらみこさんを中心人物として起用していました。8月8日19時から8月31日23時59分までは、「味ぽん」を使った料理やファンアートをXに投稿するコンテストを実施するとしていました。優秀作品の表彰は、白銀ノエルさんのライブ配信内で行うとしていました(インサイド)。
コラボを記念したオリジナルのスタンディコースター付きセット(923円)も、8月8日18時からミツカン公式通販で数量限定販売すると発表しました。
研究所メモ: Mizkanは、商品名の語感に合うタレントを、ファンの声を受けて翌年に追加で起用しました。企業が最初から完璧な人選をする必要はありません。ファンの「なぜあの人がいないのか」という反応から、次に起用する人を判断できます。継続企画を持つ企業は、SNS上の物足りなさの声を次回のキャスティング材料として拾う仕組みを持つ価値があります。
XRとエンタメ施設が、企業研修から観光まで体験を広げた
meleap「HADO」— 法人利用1,000社突破、健康経営で活用
株式会社meleapが提供するARスポーツ「HADO」の法人利用企業数が、1,000社を突破しました。HADOは、頭にゴーグル、腕にアームセンサーを装着し、エネルギー弾を発射して対戦するドッジボール型のARスポーツです。企業は、健康経営の促進や社内研修の交流施策として導入を進めていました。大日本印刷(DNP)は、社内の風土醸成を目的にHADO大会を実施しました。オンライン中継の同時視聴人数は300名を超えており、参加者満足度は93%に達していました。meleapは2024年5月のシリーズC調達で累計資金調達額が31億円となり、世界39カ国で事業を展開していました(Mogura VR)。
2025年6月からは静岡県立静岡西高等学校が体育科目としてHADOを常設導入するなど、公立学校への展開も始まっていました。
研究所メモ: meleapは、消費者向けとは別に、法人利用というファン獲得の経路を累計1,000社超まで広げました。個人課金モデルに頼らず、企業の福利厚生・研修予算という別の予算を開拓しています。ARやXRの体験型コンテンツを持つ企業にとって、BtoC単体で採算を追うより、法人利用という安定した需要と組み合わせる設計は再現性があります。
JR東日本 — 高輪ゲートウェイシティにXRサファリ、1週間限定
東日本旅客鉄道(JR東日本)は、東京都港区の「TAKANAWA GATEWAY CITY」で、XR技術を活用したサファリイベント「TAKANAWA NIGHT SAFARI」を開催すると発表していました。期間は8月18日から24日までの1週間限定でした。来場者はMRヘッドセットを装着し、自動運転の一人乗りモビリティ「RakuRo」に乗っていました。現実とデジタルを融合させたXR技術で再現された動物を観察できました。テーマは「人とロボットの共生」で、博報堂、NTTドコモビジネス、フューチュレック、ROBO-HIの4社が共同で推進していました。料金は1,500円(税込)で、事前予約制でした(Mogura VR)。
同じ会場では、入場無料の「納涼高輪ラムネ・サイダーフェス」も同時開催され、集客の相乗効果を狙っていました。
研究所メモ: 鉄道会社が、自社で開発した街に人を集める手段として、XRを1週間限定で投入した判断が目を引きます。常設にせず短期に集中させることで、その期間に行かなければ体験できないという希少性が生まれています。再開発エリアを持つ企業は、常設投資の前に、XRを期間限定の実証に使って街のにぎわいを試せます。
ソニー×TM NETWORK — キャリア初のIPエキシビジョンで没入体験
ソニー・ミュージックソリューションズは、音楽ユニット「TM NETWORK」のキャリア初となる大型エキシビション「TM NETWORK 2025 IP」の開催を発表しました。会期は8月26日から10月3日まで、会場はGinza Sony Parkでした。展示は、1984年のデビュー以来の軌跡を「知的財産」として再構築する体験型の内容です。ソニーのCrystal LED、360 Reality Audio、Haptic Floorを使い、没入型の音楽体験を提供しました。会期中には、本展用にアレンジした新曲「We Can’t Stop That Way」も公開されました(AdverTimes.)。
会場は11時から19時まで(最終入場18時30分)で、チケット購入が必要でした。
研究所メモ: 40年分のキャリアを「知的財産」と定義し直し、自社のディスプレイ・音響・触覚技術を全て投入した展示にした点が特徴です。この展示は回顧展にとどまらず、自社のハードウェア技術を見せる場も兼ねています。長年活動するアーティストのIPを持つ企業は、周年展示を過去の資料展示で終わらせず、自社技術の実証の場として設計する余地があります。
今週の所感
今週は、タレントや配信者個人の発信力を、企業が数字で裏付けた週でした。花王ビオレの話題量15倍、UHA味覚糖の330万インプレッション、ワタミの1万食がその例です。いずれも、起用したタレントやIPがもともと持っていたファンの関心を、企業が生かして成果を出しています。
一方で、ファンとの関係を年単位で積み上げてきた事例も目立ちました。例として、キユーピーの12年目のファンクラブ、くら寿司・極楽湯の回を重ねたコラボ、名取さなと名取市の6年目の献血、周央サンゴと志摩スペイン村の3回目のコラボがあります。単発の話題づくりより、継続年数そのものがファンとの信頼を作っていることが、今週の各事例からうかがえます。
今週の事例は、企業がゼロからファンの関心を作るより、すでにファンが動いている場所を見つけて後から加わる方法を示しています。推し活マーケティングの設計原則やファンマーケティングの基本とあわせて、継続の設計を今週の動きから考えてみてください。
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