Uber Eatsが「おうち推し活」訴求/HEP FIVEはバーゲンを問い直す【週刊推し活ニュース 2026年1月9日号】

2026年1月2日〜1月8日の1週間から、企業の推し活マーケティング・ファンビジネスの注目ニュースをお届けします。
今週のハイライト
今週のキーワードは推しを「買う理由」ではなく「日常の入口」として使うことでした。
Uber Eatsは『timelesz project -REAL-』の松島聡さん・原嘉孝さんを起用し、「タイプロ2観るなら、Uber Eatsでいーんじゃない?」というSNS特別広告を公開しました。番組を観る時間そのものに、商品を組み込んだ広告です。ローソンは『学園アイドルマスター』のコラボ第2弾を、マクドナルドは『ドラゴンクエスト』のコラボ第2弾を、それぞれ1月上旬に投入しました。
もうひとつ考えさせられたのは、バーゲンという商習慣が変わりつつあることです。大阪の商業施設HEP FIVEは冬のバーゲンにAmBitiousを起用し、「このときめきは、運命だ。」というテーマを掲げました。在庫処分としてのセールが機能しにくくなるなか、HEP FIVEは値引きだけに頼らず、体験と関係性で人を呼ぶ方法に切り替えていました。
自宅で推しに触れる時間に、企業が入り込み始めた
Uber Eats×『タイプロ2』 — 番組を観る時間に商品を差し込む
Uber Eatsが1月5日、Netflixの新番組『timelesz project -REAL-』とのSNS特別広告を発表しました。広告はtimeleszの松島聡さん・原嘉孝さんが出演する42秒の動画で、楽屋が舞台です。Uber Eatsの袋を受け取った2人が、テレビの前で番組を観ながら食事します。動画は第1弾から第3弾まで順次公開されました。番組のエピソードに合わせて、ピザ・餃子・韓国料理と異なるメニューが登場しました(AdverTimes.)。
動画はスマートフォンで撮影した映像を使い、ファンから「ちゃぼそう」と呼ばれる2人の掛け合いをそのまま見せる構成でした。
研究所メモ: Uber Eatsは、起用したタレントに商品を持たせて見せる形をとっていません。ファンが番組を観ながら食事をする場面に、商品を置いています。ファンが推し活をする時間は、自宅にいるときのほうが圧倒的に長くなります。その時間に何を食べているかへ介入する発想は、フードデリバリーに限らず応用が効きます。
ダイソー — 100円で始める推し活の入口
アニメ!アニメ!が、ダイソーの推し活グッズを紹介するコラム記事を公開しました。記事が取り上げたのは、カラビナ付きの「クリアカラーポーチ」(全長17.5センチ、8色展開)、「リボン付トレーディングカードキーホルダー」、アクリルキーホルダー用の「スタンド」、キーホルダー用の「推し撮りスティック」の4商品です(アニメ!アニメ!)。
研究所メモ: 痛バッグもトレカデコも、専用品を買わなくても100円ショップで始められるようになっています。参入コストが下がるほど新規のファンは増えます。一方で企業には、「高くても欲しい」と思ってもらえる理由を用意することも求められます。安い価格帯と高い価格帯の両方を意識した商品設計が必要です。
年始の売り場を、コンビニ・外食・スーパーがキャラクター商品で埋めた
ローソン×学園アイドルマスター — 予約の到着は最長約9か月後
ローソンが1月6日から『学園アイドルマスター』とのコラボ第2弾を開始しました。商品はミルクステージドレスのデザインでした。価格はアクリルスタンド全13種が各1,870円、缶バッジ全13種が各605円、ビッグタペストリー全13種が各9,900円、もちどる全13種が各3,828円(すべて税込)でした。対象商品を3つ購入すると、オリジナルクリアシート全7種のうち1枚がプレゼントされました。Loppi・HMV限定予約は3月9日まで受け付けていました。お渡しは7月2日と10月1日の2パターンでした(アニメ!アニメ!)。
缶バッジは5個セットのうち1個にサインが入りました。クリアシートは切り取ってスマホケースに入れられるなど、細部まで作り込まれていました。
研究所メモ: 1月に予約して受け取りが10月になるという長さに驚きました。コンビニは本来その場で商品を売る商売ですが、IPコラボでは受注生産の注文を受け付ける窓口になっています。店舗網を「予約を集める装置」として使う発想は、他業種でも検討する価値があります。
マクドナルド×ドラゴンクエスト — 40周年に向けた第2弾
日本マクドナルドが1月7日から、『ドラゴンクエスト』コラボ第2弾として3種の「ドラクエバーガー」とドリンクの全5商品を全国で販売しました。バンズには勇者の剣の剣筋をイメージしたスリットが入っていました。第1弾のフィギュア5種セット「スライムinスライム」は税込2,990円で、事前抽選販売を経て1月19日に販売すると発表していました。2025年12月27日からは、乃木坂46の一ノ瀬美空さんがクルー役で「メラゾーマ」を唱えてバーガーを作る新TVCMも放映されていました(アニメ!アニメ!)。
『ドラゴンクエスト』はシリーズ累計出荷・ダウンロード数が全世界9500万本以上で、2026年に40周年を迎えました。
研究所メモ: マクドナルドがバンズのスリットのように、商品そのものにまでIPの要素を取り入れている点が印象的です。コラボをパッケージや景品にとどめず、食べる商品の形まで変えています。周年IPとコラボする企業にとっては、商品本体をどこまで変えるかが重要な判断になります。
明治×サンリオ、イオン、リラックマ×ダース — バレンタイン商戦の入口
明治は1月6日から、板チョコ3枚の購入者にオリジナルチョコ型をプレゼントする企画を始めました。チョコ型はハローキティ、ポムポムプリン、シナモロールなど6キャラクターです(アニメ!アニメ!)。イオンは1月8日から約360店舗で「2026イオンのバレンタイン」を本格展開しました。品目数は約970品目で、うちイオン限定が84品目です。イオンは「推し活チョコ」商品を前年比1.4倍に拡充しました。『ブルーロック』はイオン限定で、使い終わった後も使える缶を中心に4品目を展開していました(アニメ!アニメ!、超!アニメディア)。森永製菓の「ダース」もリラックマとのコラボを1月6日に開始し、計1,350人にコラボグッズが当たる企画を実施していました(サンエックス)。
研究所メモ: イオンが推し活チョコを前年比1.4倍に増やしたことから、この商戦の変化がよく分かります。カカオ豆価格の高騰で価格調整が続くなか、推し活は企業が単価を上げられる理由になっています。明治のチョコ型のように「自分で作る」余地を残す設計も、コラボカフェと同じく体験に価値を置く動きです。
値引きで人が動かなくなった商業施設が、推し活に活路を求めた
HEP FIVE — 「このときめきは、運命だ。」
大阪・梅田の商業施設HEP FIVEが、1月2日から31日まで冬のバーゲン「HEP FIVE BARGAIN」を開催していました。広告モデルには、2025年夏に続いてSTARTO ENTERTAINMENT所属の関西ジュニア内グループAmBitiousを起用しました。館内放送では「2026年に挑戦したいファッション」「メンバー同士の秘密エピソード」などを時間帯ごとにランダムで流すと発表しました。1階エントランスには、メンバー全員のフォトパネルを展示すると発表しました。1月からは公式SNSで縦型ショート動画3本を順次公開しました(AdverTimes.)。
記事はECの台頭と在庫管理の厳格化によって、「過剰在庫処分としてのバーゲン」が下火になっていたと整理していました。
研究所メモ: 館内放送に「メンバー同士の秘密エピソード」を入れた点が効果的です。HEP FIVEは、買い物に来た人が館内で過ごす時間そのものをファン体験に変えています。配信先も、WebCMは幅広い層、縦型動画は若年層のSNSと分けました。狙いを「広告」ではなく「ファン同士のコミュニティ内での話題化」に置いている点も明快です。
東京スカイツリー×まどマギ — 地上450mを世界観で塗り替える
東京スカイツリーが1月8日から4月6日まで、『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ〈ワルプルギスの廻天〉』との初コラボ「月夜のワルツ」を開催しました。天望回廊には「月夜のホワイエ」「追憶のギャラリー」「約束の環」など6つのエリアを設置しました。カフェメニューはドリンク全6種が各1,100円、ワルプルギスの夜パフェが1,540円(税込)でした。約6分の特別映像を天望デッキのパノラマスクリーンで上映し、13台のスピーカーと24台のプロジェクターを使う夜間演出も行うと発表しました。キャラクターごとの特別ライティングは約2分半ごとに移り変わると発表しました(超!アニメディア)。
研究所メモ: 東京スカイツリーは、展望台という「景色を見る場所」を作品の世界を歩く体験の場に作り替えています。24台のプロジェクターを使う規模からは、コラボを装飾にとどめず、設備投資として扱っていることが分かります。3か月間という会期の長さも含め、スカイツリーは聖地巡礼の目的地を自ら作ろうとしています。
サンリオピューロランド — テーマは「色」
サンリオピューロランドが1月16日から3月16日まで、スペシャルイベント「カラフルピューロランド」を開催しました。テーマは「色」です。8キャラクターがカラフルコスチュームで登場すると発表しました。館内には、没入型フォトスポット「推し色キャラルーム」と、全10色の「巨大広告風★推し色ウォール&推し色のぼり旗」を設置しました。期間限定フードは全22種類で、ポムポムプリンのカツカレーが1,700円、マイメロディのパフェが950円(税込)などでした(Dtimes)。
研究所メモ: ファンの側から生まれた推し色という文化を、テーマパークが正面から企画名に据えました。しかも「巨大広告風」ののぼり旗は、応援広告の様式をそのまま遊びに取り入れたものです。企業がファン発の作法を借りるときは、その作法をどこまで敬意を持って扱えるかが問われます。
小売未来Days2026 — 小売業界がリテールメディアとOMOを学び直す
全国スーパーマーケット協会が、オンラインイベント「小売未来Days2026」を2026年2月4日から6日の3日間、参加費無料で開催すると発表しました。イベントで扱ったテーマはDX、リテールメディア、EC・OMO、物流改革、需要予測、AI活用などです。紀ノ國屋の富田勝己社長、ベイシアの亀山博史デジタル推進本部長、ワークマンの土屋哲雄専務らが登壇すると発表されていました。アーカイブ配信は2月28日まで行われると発表されていました(PR TIMES)。
研究所メモ: 小売の主要テーマにリテールメディアが並ぶようになりました。リテールメディアは店頭のサイネージやアプリを広告面として使う考え方で、店舗をファンとの接点として活用する施策ともつながっています。店舗を持つ企業にとって、推し活施策は集客だけでなく、自社のメディア価値を高める投資にもなります。
大阪・関西万博グッズストア — 閉幕後の需要を地方で拾う
大阪・関西万博の公式グッズストアが、JR福井駅で1月10日から25日、JR富山駅で1月18日から31日、JR金沢駅で2月2日から15日と、北陸3県で期間限定オープンすると発表しました。福井では初日に、ミャクミャクが登場するグリーティングも実施すると発表しました。常設のオフィシャルストアは大阪8店舗と名古屋1店舗のみでした。公式オンラインストアは1月7日にいったんクローズし、フェリシモ運営で今春再開しました(AdverTimes.)。
2025年10月末時点で、公式ライセンス商品の売上高(製造ベース)は1200億円を超えていました。
研究所メモ: 万博は閉幕後も、駅という通過点でグッズを売り続けています。イベントが終わっても、ファンの記憶と収益は続くことが分かる事例です。1200億円超の商品売上を生んだIPの需要を、常設9店舗だけでまかなうのは無理があります。巡回型の販売は現実的な方法だと思います。
ファンの熱量を売上につなぐ企業戦略。自販機とCMの実例から
ダイドードリンコ×ホットリンク — 「お邪魔する」というアプローチ
ダイドードリンコの坂本大介氏とホットリンクの増岡宏紀氏が、コミュニティを起点にしたマーケティングについて語りました。ダイドードリンコは、売上の約9割を自動販売機ビジネスが占めていました。同社は『鬼滅の刃』『呪術廻戦』『モンスターハンター』『ブルーアーカイブ』などとIPコラボを重ねていました。ブルーアーカイブの施策では、従来施策比でコストゼロ、新規LINEユーザー獲得が昨対比9倍、キャンペーン参加者の購買本数が期間中に約18本増という結果が出ました(AdverTimes.)。
増岡氏は、ターゲットを「ペルソナ」ではなく「コミュニティ」で考えるべきだと指摘しました。低関与商材は自社でファンコミュニティをゼロから作るのが難しかったため、サウナ好きやキャンプ好き、アニメファンといった既存コミュニティに「お邪魔する」アプローチが有効だという考え方でした。ジョンソンヴィルはクチコミ分析でアウトドア界隈との親和性を見つけ、投稿をキャンプ飯に特化させました。その結果、テレビCM実施時を大きく上回るPOS売上を達成していました。
研究所メモ: 坂本氏の「そのコンテンツを一番好きになれ」という言葉が、担当者の資質を的確に言い当てています。同時に語られた「コラボ終了後の売上維持が課題」という本音も重要です。指名検索を行うユーザーのコンバージョン率は、一般検索の約12倍から24倍です。企業がコラボを一過性で終わらせず、指名される状態を作れるかどうかが、ファンマーケティングの成否を分けます。
正月CMのタレント起用 — 628社が三が日に何を選んだか
ビデオリサーチの調査によると、2026年の正月三が日(関東地区)に出稿した企業は628社、CM本数は1万1986本、総秒数は22万秒でした。タレント露出量ランキングでは1位が今田美桜さん(前年6位)、2位が横浜流星さん(2年連続)、3位が池田エライザさん(前年トップ10圏外)となりました。企業別CM秒数の1位はダイハツ工業、2位は永谷園、3位はソフトバンクでした(AdverTimes.)。
各社は起用理由も具体的に語っています。阪急阪神不動産は「事業フィールドを関西圏から首都圏、さらには海外へと広げる狙い」と説明しました。湖池屋は横浜流星さんについて、「誠実で芯のある人柄が、素材のピュアなおいしさを真っすぐに届けようとするブランド精神と重なる」としました。
研究所メモ: 各社は起用理由を「人気だから」で済ませず、ブランドの方向性とタレントの人物像が重なる点で説明しています。前年トップ10圏外だった池田エライザさんは、3位に上がりました。その背景にも、富国生命保険による「マルチな人物像が、現代を生きる人々の複雑な感情を体現できる」といった明確な説明があります。アンバサダー選定の議論を、知名度以外の軸で進めるための好例です。
1800万円の調達と70%の人員削減。バーチャル領域で明暗が割れた
Roblox — コミュニティイベントがクラウドファンディングで1800万円
Robloxのクリエイタースタジオ「Studio KoiKoi」が、コミュニティ主導のイベント「Egg Hunt 2026: The Grand Eggspress」の開発資金をKickstarterで募りました。目標の7万5,000ドルをわずか2日で達成し、最終的に11万ドル以上(約1,800万円)を調達しています。2026年4月の実施を予定していましたが、100名のRobloxクリエイターが制作した100個のエッグを6つのチャプターに隠すと発表されていました(Mogura VR)。
Studio KoiKoiは収益を将来のエッグハントやコミュニティ主導のプロジェクトに充て、持続可能な形で毎年開催したいとしていました。
研究所メモ: 質の高いコンテンツには制作費がかかり、後から課金で回収するとスタジオ側のリスクが大きくなります。Studio KoiKoiは、この問題を事前の資金調達で解決しました。プラットフォームの公式イベントとしてではなく、コミュニティが自分たちで資金を集めてイベントを作っています。UGC経済が次の段階に入ったことを示す出来事だと思います。
株式会社VIC — 累計2億5,000万円を調達し、事務所ごとの受け入れを本格化
1on1通話アプリ「BackStage」を運営する株式会社VICが追加資金調達を実施し、累計調達額2億5,000万円に到達していましたに到達しました。サービス開始以来の1on1通話は、累計6万件を超えました。同社は、VTuber業界で事務所の経営悪化や事業継続困難、撤退が起き、所属タレントが収益機会を失っている状況を背景に、BackStageを受け皿と位置づけていました。キャスト個人だけでなく、事務所単位・運営チーム単位での受け入れや提携も視野に入れ、調達資金は受け入れ後の収益化サポートと教育プログラムの拡充、事務所との業務提携・統合支援に充てるとしていました(PR TIMES)。
代表取締役の田中良典氏は「私たちは、VTuberや配信者を『消費される存在』だと思っていません」と述べました。
研究所メモ: VICの新しさは、業界の再編を前提に「受け皿」を事業として立てる発想にあります。タレントが所属先を失うことは、ファンコミュニティが行き場を失うことでもあります。演者を抱える企業が撤退するとき、ファンとの関係をどこへ引き継ぐのか。企業は事業計画に、出口の設計を入れておく必要があります。
Cloudhead Games — 老舗VRスタジオが従業員の70%を削減
『Pistol Whip』で知られるVRスタジオCloudhead Gamesが、1月7日付で全従業員の70%、少なくとも37名を削減しました。CEOのデニー・アンガー氏は、削減を「困難な決断」としました。理由にはゲーム業界全体の低迷、VR分野の未成熟な課題、プラットフォームからの資金調達不足を挙げました。同社は2012年設立で、VR酔いを抑える移動技術「Blink」を開発した実績がありました(Mogura VR)。
記事は、『Gorilla Tag』などカジュアルなマルチプレイVRゲームを作るスタジオが成長していることも指摘しました。
研究所メモ: 技術で業界を牽引した会社が苦しむ一方で、友達と遊べる軽いゲームは伸びています。この対比から、人がバーチャル空間に何を求めているかが見えてきます。作り込んだ体験より、そこに誰かがいることのほうが人を引きつけます。ファンコミュニティを設計する立場からも、示唆の多い構図です。
Immersive Journey — 40〜60代女性が支える体験施設
横浜のVR体験施設「Immersive Journey」が、2024年12月の開業から1年で年間来場者12万人を記録しました。運営は株式会社CinemaLeapです。来場者の6割が女性で、主な年齢層は40〜60代です。代表の大橋哲也氏は、歩き回れるフリーローム型について「座って体験すると『よくできたものだね』という感じなのですが、歩くことによって全く違う次元の体験になりました」と語りました。声優には梶裕貴さんや子安武人さんを起用し、「声優さんの力量で体験の質は変わります」としていました(Mogura VR)。
コンテンツはエジプトのピラミッドやヨーロッパの絵画がテーマとなっていて、オルセー美術館や吉村作治氏の監修を受けていました。名古屋への出店と、浮世絵をテーマにした新作も予定していました。
研究所メモ: Immersive Journeyの主な来場者層が40〜60代で、女性が6割を占めるという事実は、多くの企業の想定とずれているはずです。大橋氏も「狙ったというよりは、本当にそういう方々に評価されるようなものが届けられた」と語っています。技術の新しさではなく、内容の質で客層が決まる。この事例から、ターゲット設定を先に固めすぎることの危うさが分かります。
HARE×VRChat — アパレルが3Dアイテムを売る
ファッションブランド「HARE」が、2025年秋冬コレクションをVRChat向けの3Dアイテムとして展開しました。トップス、レースアップスカート、フェイクムートンジャケット、ブーツの4種類を3,000円で販売していました。販売はBOOTHで行い、マヌカ、しなの、ラシューシャなど人気アバターにセミ対応していました。モデリングはGugenkaが担当し、メインビジュアルのカバーモデルはバーチャルシンガーのyosumiさんが務めました(Mogura VR)。
研究所メモ: HAREはリアルの新作と同じコレクションを、そのまま3Dで出しています。宣伝用のノベルティではなく、3,000円の商品として売っている点が重要です。アバターに着せる服は、着る人にとっては自己表現そのものです。アパレル企業が新しい売り場を得た動きと捉えるべきだと思います。
今週の所感
年始の1週間を通して見えたのは、推しがファンを「連れてくる」のではなく、ファンがすでにいる場所へ企業が出向いているという構図でした。
Uber Eatsは番組を観る時間へ、ダイドードリンコは既存コミュニティへ「お邪魔する」形で入り込みました。HEP FIVEは、買い物の時間を推し体験に変えました。いずれの企業も、自社が中心となる場を新しく作らずに、ファンの生活の中に商品や企画を置いています。ダイドードリンコは新規LINEユーザーを昨対比9倍に増やしており、この考え方は実際に機能していました。
一方でCloudhead Gamesの70%人員削減からは、熱心なファンがいる領域でも事業が続くとは限らないことが分かります。Robloxのコミュニティが1800万円を自力で集めた話と並べると、これから誰が事業を支えるのかという問いが浮かびます。
自社のファンがどのコミュニティにいて、どんな時間を過ごしているのか。推し活マーケティングの設計原則とあわせて、今週の動きを見てみてください。
週刊推し活ニュースは、推し活×ビジネスの1週間を毎週まとめてお届けします。過去の号は推し活×ニュースカテゴリからどうぞ。



